
こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。
TCH(Tooth Contacting Habit)という
 「歯の接触癖」をご存知でしょうか。
通常上下の歯は、安静時に1~3mm程度の隙間があり、
 食事中や会話中など瞬間的に接触します。
 日中に上下の歯が接触する時間は約7~8分弱と言われていますが、
 TCHは本来接触の必要性がないときに「弱い」噛みしめ・くいしばりをしてしまいそれが癖になるというものです。
特にTCHは緊張時や、集中している場面で多く見られ、噛む力は比較的弱いこともあり本人に自覚がないまま噛みしめ癖がついてしまいます。
例えそれが弱い噛みしめであったとしても、それが毎日、そして長時間続くことにより、
 咀嚼筋(顎の筋肉)や顎関節に大きな負担となり
 次第に違和感や痛みが出現することがあります。
TCHがみられる人の中には顎関節症を発症しているケースもあります。
 夜間に歯ぎしりや噛みしめをしていると指摘されたこともないのに顎が痛い、口が開かない、頭痛がする、などの症状が見られる方は注意が必要です。
TCHはいわゆる癖ですので、その悪い癖を改善することにより顎関節症状の出現や悪化を防いで症状が改善に向かうことがあります。
TCHは、
 特に緊張・集中する場面や、
 うつむきがちな姿勢を長時間続けている時、
 1人で黙々と作業している時
 などに無意識に噛みしめをおこなうケースが見られ、
 代表的なケースとして
 「パソコンやスマホ等のタブレット端末を長時間使用」が挙げられ、比較的若い方に多くみられます。
また、TCHになる大きな原因の一つがストレスと言われており、生活環境の大きな変化や仕事中にパソコン等の作業をする方は症状が出現しやすい傾向にあります。
当医院では、TCH対策として、「自己暗示法」という治療方法をご提案しております。
例えば、パソコン作業を良くされる方は、
 パソコンの端っこに
 「いま噛んでませんか?」と書いたシール(ポストイット等)を貼ったり
 目印になるような目立つ置物を置いたりして、
それをリマインダーとし、「思い出すためのきっかけ」を準備します。
そして、それが目につく度に、
 「顔がうつ向き気味になっていないか」
 「上下の歯が接触していかないか」を確認し、
 もしそうしていた場合は1分でも2分でも気を付ける様にします。
しかし、作業をしながらなので、最初のうちは気を付けていても、またすぐに忘れてしまうので、
 改めて、目についたときに再度気を付けるようにします。
これを繰り返すことで徐々にリマインダーを確認しなくても「歯の接触癖」がなくなってくるようになってきます。
もちろん、費用が掛かることもないですし、
 実際に普段なかなかご自身で気が付きにくい「歯の接触癖」をしているかを知ることが出来るので、
 TCHについて、もし思い当たる方がいらっしゃいましたら是非お試し下さい。
 因みに、
 歯列接触には、就寝中のクレンチング(噛みしめ)や
 グラインディング(歯ぎしり)
 などがありますが、
 TCHはこれらの歯列接触とは区別されます。
 こちらの場合は、ナイトガードと呼ばれる睡眠時用のマウスピースにより治療を行います。(保険適応です)
 冷水などで歯が凍みてしまう「知覚過敏」や
 「顎の痛み」、「口が開かない」、「肩こり」、「首の張り」、「頭痛」などの顎関節症状がみられる方でも、
 いつ、どんなときに、「歯の接触」が続いているかにより、治療方法は様々です。
 これらの症状でお悩みの方は一度ご相談頂けたらと思います。
 

