歯周病学会に参加してきました。その1

こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。

5月25日、20年ぶりに横浜で開催された日本歯周病学会に当院スタッフと共に参加してきました。

今回の学会のメインテーマは

「低侵襲・高効率の歯周治療」

 

8020運動が厚生省(当時)と日本歯科医師会により提唱されて30年が経過し、80歳で20本以上の歯が残っている方の割合は50%を超えるようになりました。

歯が残っていることは大変喜ばしいことではあるのですが、反面、歯周病に感染してしまっている歯の本数は増加傾向にあります。

厚生労働省が3年ごとに発表している「患者調査」の平成26年調査によると

継続的な歯周治療を受けていると推測される患者数は、331万5,000人で、平成23年の調査よりも65万人以上増加しました。

超高齢社会である現代においては、患者さんが様々な病気により定期的に歯科以外の診療科を受診されていることも多く、
菌血症のリスクなど、患者さんの全身的な背景を考慮ながら治療を行う必要があります。

歯周病が進行してしまった歯を出来るだけ抜かずに残す、

これを達成するための治療のアプローチとして、

内服抗菌薬をもちいた歯周治療についての報告や、
歯周治療後に残っている歯を維持し負担をコントロールするために、
歯の失われた部分に対して、重度の歯周病患者さんに対する学術的な観点から考える欠損補綴[歯の被せ物による連結(ブリッジやカンチレバー)や入れ歯(義歯)など]についての講演を聴講しまして…

歯周治療について、日本の歯科医療が辿ってきた歴史と今後目指していく指針を再確認することが出来ました。

歯周病は、プラーク(歯垢)が原因により炎症が起こる感染症です。
歯周病に対する治療は、徹底した病原因子および病的な歯周ポケットの除去であることは明白ですが、
歯周外科手術に関しては必要最低限に留めて、出来る限り低侵襲な治療を心掛け、
歯周基本治療後に深い歯周ポケットが存在していても炎症が十分にコントロールされ管理可能な条件であれば必ずしも全ての歯周ポケットを浅くする必要はないと考えています。

年々増え続ける歯周病患者さんですが、
「患者調査」における歯周治療を定期的に受けられている患者さんが増加している背景として、
超高齢社会と言われて久しいですし、近年歯を抜かず残そうとする治療方針の先生が増えている(歯がなければ歯周病にはなりませんからね)ことが考えられますが、
日本人の「歯周病」に対する感心が高まってきて受診者が増加していると考えることも出来そうです。

学会にて、歯科衛生士さんの講演では、患者さんが「かかりつけ歯科医院」をみつけて継続してメインテナンスに通うことの大切さについて、何度も繰り返し話されているのが印象的でした。

もし、「かかりつけの歯医者なんで特にないなぁ…」
という方は当院に限らず長く通えそうな歯科医院を探してみることをオススメ致します。
そして、その中で「おだがき歯科クリニック」に興味を持って頂いた方は、是非一度ご連絡下さい。
学会にまで参加してくれる勉強熱心なスタッフ共々お待ちしております。