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口臭の原因物質と口臭治療

こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。

前回に引き続いて、今回は口臭の原因物質と口臭治療についてお話致します。

病的口臭の90%以上は口の中にその原因があると言われていますが、

その口臭の原因物質には、
アンモニア、アミン類、揮発性硫化物、脂肪酸などが挙げられ、
たんぱく質の分解によってお口の中で作られます。

中でも、

揮発性硫黄化合物
(VSC:Volatile Sulpher Compounds)
と呼ばれる物質は、口臭の原因の代表格として知られています。

VSCとしては主に、

・硫化水素…タマゴが腐ったような臭い

・メチルメルカプタン…生臭い野菜の腐ったような臭い

・ジメチルサルファイド…生ゴミのような臭い

などの物質があり、周囲の方に不快感を与える原因となり得ます。

そして、このVSCについては、
毎日のブラッシングによるセルフケアや歯科医院でのクリーニング(プロフェッショナルケア)、歯周病治療などにより、
口の中から歯垢(プラーク)や歯石が取り除かれ、プラークコントロールが改善されることにより、減少させることが可能で、口臭を改善することが出来ます。

また、むし歯や、古くなり劣化してしまったなどの理由によりキレイに合っていない詰め物や銀歯(不適合修復物・補輟物)、清掃不良により管理の行き届いていない入れ歯(義歯)がお口の中にあると、細菌が繁殖し易く、これらも口臭の原因となるので、治療が必要となります。

他には、舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌の表面に付着する白いコケ状の細菌の固まりには、VSCが多く含まれており、
口臭の原因の約半分はこの舌苔が大きく影響していると言われています。

口臭対策として、
バクテリアセラピーと呼ばれる、乳酸菌(L-ロイテリ菌)によって、お口の中の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすことで口臭を減少させる効果の期待出来るサプリメントのふくを当院ではオススメしています。

プロデンティス

また、バクテリアセラピーによる口臭抑制効果というのが長期的な対策であるのに対して、

即効性に優れ、約2~3時間効果が期待出来る洗口剤の使用もオススメしています。
こちらは、リンスタイプの他に鞄に入れて携帯できるスプレータイプもあり、外出先でのエチケット対策としても非常に有用です。

こちらの洗口剤には、0.1%塩化亜鉛が含まれており、この亜鉛イオンがVSCと結合して臭いを不揮発化(ガス化抑制)し、更にたんぱく分解酵素を阻害し、新たなVSCの発生を抑制します。
他にも、歯周病菌を抑えるクロルヘキシジン、歯肉の炎症を抑えるアルクロキサも配合されていてリンスタイプのものは歯周病予防にも効果が期待出来ます。

 

さて、ここまで読んで頂いた方の中には、既にお気付きかもいらっしゃるかもしれませんが、

実は、
歯周病治療により病的口臭の問題の多くは解決することが出来ます。

つまり、病的口臭における「口臭治療」というものは「歯周病治療」とほぼイコールであるとも言えます。

もちろん、口臭の原因は様々であり、ある程度、原因を絞り込む必要がありますが、

日本の35歳以上の方の約8割が歯周病を抱えているという報告もあり、
実際に「口臭が気になる」ということで来院された方の多くが、歯周病検査を行うと歯周病であるという診断になります。

その為、歯周病治療を行うことにより、ほとんどの方が、以前に比べて「口臭が改善した」と実感して頂けております。