「攻める治療」と「守る(見守る)治療」~根分岐部病変のお話~

こんにちは。藤沢の歯医者「おだがき歯科クリニック」の小田柿です。

先日参加してきた歯周病学会にて聴講しました講演の内容が非常印象に残るものでしたので、今回ご紹介したいと思います。

演題は
「根分岐部病変の治療」

ということで、

歯周病の治療を行っていると、どうしても直面するのが、この問題です。

大臼歯と呼ばれる、前から数えて6番目7番目にあたる大きな奥歯は、顎の中で2~3つ(稀にそれ以上)に分かれた根っ子の形をしています。

根分岐部病変というのは、その根っ子の分岐した股の部分にプラークが感染することで炎症が起きてしまい、歯周病のトラブルが発生している病気のことをいいます。

根分岐部病変があると、歯周病の進行が早くなりやすいため治療が必要なことがままあるのですが、

その病態は様々で、
一時的には治療効果が得られても予後不良なことも多く、
歯医者さん達の中でも
診断や対処法について、あまり整理されていないのが現状です。
ですので、治療方針は担当医の考え方や臨床経験、患者さんの背景によっても大きくことなります。

根分岐部病変が悪化してしまう要因は、
分岐部の清掃性が困難であるということです。
汚れが溜まりやすく、ブラッシングも難しいんです。

治療方法としては、大まかに2種類あり、

分岐部の清掃性を確保する為の積極的な歯内処置、歯根分離、歯根切除等で治療を進めていく

「攻める治療」と

もう1つは、以前ブログでもお話した「MI」の考え方に基づき、可能な限り歯を削るのなどの処置を避けて歯周基本処置を主体としたクリーニングなどにより現状維持に努める、

「守る(見守る)治療」です。

「攻める治療」で治療計画を立てた場合、一時的に改善は見られたとしても、
最終的に清掃困難によるブラッシング不足や歯が折れて抜歯しなければならなくなるケースもあるため、
お口の中全体を考慮して、敢えて積極的な処置を避ける「守る(見守る)治療」も時には必要になります。

講演された先生は、患者さんの治療計画を立てる際に、どうしても症状の進んだ「1本ずつの歯」に注目してしまいがちですが、「口の中全体」をみて総合的に捉えることが大切だとおっしゃっていました。

他の治療にもいえることですが、「木を見て森を見ず」ではいけないということですね。
隣の歯や噛み合う歯の状態も念頭に置いた治療計画が必要になってくるわけです。

よく患者さんに、ここの1本だけ治してくれれば、それでいいからと言われてしまうことがあります。
お忙しい時など、お気持ちは非常に良くわかるのですが、
やはりお口の中を「包括的」に捉えて治療計画は立てなければなりません。

何より長い目でみると結果的に患者さんの為にならないと考えておりますので、

患者さんのお口の中を全体的に見渡したときの治療計画については必ずご提案はさせて頂いております。

ご自身のお口の中がどのような状態になっているか知ることで、直ぐには難しくとも、その後のプランを立てやすくなるかと思いますので、
「最近歯医者さんに行ってないけど、忙しくて治療が必要と言われても何回も通えないな」
という方も是非一度検査を受けてみて下さい。お待ちしております。

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